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事業内容

海岸防災林の再生

 ◆海岸防災林の役割

   福島県の海岸林は、江戸時代から先人たちが植栽し、代々手入れをされ育てられてきた人工林です。

   海岸林は災害を軽減する防災林として、海岸林の背後に位置する耕地・農作物や人家・施設を飛砂、

   強風、潮風、高潮、高波や津波の被害から保護することを目的に作られました。

   今日では、様々な被害を軽減する以外に、魚つき、航行目標の役割や景観保持、保健休養・レクリエ

   ーションの場や生物の多様性を育む場として貢献しています。

 

 ◆海岸防災林の被害

   東日本大震災では、大規模な津波の発生により、海岸防災林も大きな被害を受けました。しかし、

   福島県いわき市新舞子では、7mを超える津波に襲われましたが、海岸防災林により車等の漂流物

   を捕捉し、その林帯の背後の農地等への流入を防いだ例などが報告されております。

       

        ↑ 被災直後のいわき市新舞子地区(平藤間周辺)の状況

   海岸防災林は、津波自体を完全に抑止することはできないものの、津波エネルギーの減衰効果や

   漂流物の捕捉効果などが明らかになっています。

 

 ◆海岸防災林の再生

   浜通りでは、復興に向けた様々な取組みが行われていますが、海岸林の再生には100年単位の

   時間がかかるため、海岸地域の植林がされないままでは、地域の暮らしや産業に大きな支障が出る

   ことから、震災直後から被災した海岸防災林の再生に向けたさまざまな取り組みが求められています。

   そのため、地元の方々と共に、地域を超えて企業や団体、NPO等の支援を得て、海岸防災林の再生、

   被災地の復興を図って行く必要があります。

 

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海岸防災林再生の方針・計画

 ◆海岸林の被害状況

   東日本大震災では、大規模な津波の発生により多くの人的被害をもたらし、自然災害では戦後最悪の

   ものとなりました。福島県では、海岸林の浸水面積が295haであり、その7割が流出するなど

   甚大な被害を受けました。

           

        ↑ 被災前の相馬市松川浦地区           ↑ 被災直後の相馬市松川浦地区

 

 ◆海岸防災林再生の考え方

   「福島県の海岸防災林の再生に向けたガイドライン(海岸防災林復旧整備方針)」によれば、その基本

   方針として、「海岸防災林の復旧・整備に当たっては、高潮、飛砂・風害の防備などの災害防止機能に

   加え、地形や地下水位等を総合的に考慮したうえで、植生基盤盛土の造成や林帯幅の確保による津波

   エネルギーの減衰効果など被害軽減効果を期待した『多機能海岸防災林』を含めて整備する。」として

   います。(ガイドライン p.8 参照)

          

          ↑ 海岸防災林復旧事業イメージ図(ガイドライン p.9 参照)

 ◆海岸林防災林再生計画

   海岸防災林の復旧・再生は、地域の復興計画等と整合を図りつつ、防潮堤の復旧等海岸防災林の

   造成に必要な基盤造成を概ね平成31年度までの8年間で完了させ、基盤造成が完了した箇所から

   順次植樹を実施します。全体の復旧は概ね平成32年度までの10年間で完了することを目指して

   います。

   再生に当たっては、企業、NPO等の協力も得て植樹等を実施することが重要とされています。

   国有林においては、「『みどりのきずな』再生プロジェクト」構想が発表され、福島県内の

   国有林においては、平成26年度から、民間の協力団体の公募を行い、植樹が始まります。

   また、福島県においても、同様に平成27年度から植樹等の受入れが始まる予定です。

   詳細につきましては、

   「福島県におけるNPO、企業等による海岸防災林の植樹等の受入れの流れ」をご覧ください。

 

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支援する方法

 ◆支援に参加する方法

   海岸防災林の再生に向けては、国有林や福島県等の土地所有者等との協定を締結して、継続的な

   取り組みを行うNPO、企業等を募集いたします。

   平成26年度から、被災地域の国有林や福島県において、植樹のための生育基盤盛土の造成工事が

   終わった部分から、植樹を希望するNPO、企業等を公募し、協定を締結したうえで連携した

   取り組みを行います。

        植栽

   また、植樹活動以外にも、保育活動、資金の提供、資材の提供、交流・イベント等への参加を通して、

   海岸林再生の支援に参加することができます。

        保育資金資材交流

 ◆「海岸防災林再生等復興支援事業」によるサポートについて

   海岸防災林の再生に向けては、国有林や福島県等の土地所有者等との協定を締結して、継続的な

   「海岸林再生活動に参加したい、活動の実施団体を支援したい」などの要望がある企業や団体等

   さまざまな立場の方々がご参加していただけるようにサポートを行います。

   1.活動への参加・支援を希望する方々へのサポート

    (1)情報提供

        NPO、企業等による海岸防災林再生活動への参加に必要な情報を収集し、

        当ホームページを通して発信します。

        また、説明会等の開催により、海岸林再生への参加・支援の仕方についての

        情報提供を行います。

    (2)マッチング支援

        資金の寄付や資材の提供などで、海岸防災林再生活動を支援くださる企業・

        団体等と、活動の主体となるNPO、企業等とのマッチングを予定しています。

   2.植栽活動を実施する団体等へのサポート

     土地所有者と協定を締結して海岸防災林再生活動に参画する団体等に対して、

     当協会はコーディネーターとして、公募の募集段階から、協定締結にも参画し、

     必要なサポートを行います。

    (1)アドバイス

        公募に対する申請の段階から、各種提出書類の書き方、技術的な問題等に

        ついて、アドバイスします。

        また、植樹や保育の技術的な課題について、専門家を派遣して必要な指導を

        行います。

        なお、植樹活動の実施に当たっては、

        「福島県の海岸防災林の再生に向けたガイドライン」に基づくものとし、

        「ふくしまの海岸林再生に向けた手引(目次)」

        「ふくしまの海岸林再生に向けた手引(本文)」も参考にしてください。

    (2)活動実施への支援

        公募型で開催される植樹を円滑に進めるため、事業説明、植樹・安全指導等への

        支援、また各種講習会の実施を支援します。

    (3)その他

        海岸防災林再生活動を地域に根付かせていくような活動、参加団体の技術向上を

        通して海岸防災林再生活動の水準を高めていく活動など、幅広く民間団体の参加を

        得た海岸防災林再生活動の活性化に資する活動についても支援していく予定です。